今回の住宅は、先祖伝来の山の木を使って作ります。
施主のおじいさんが植えた木です。樹齢60年の杉の
木です。
幸いなことに、山の斜面が北方向へ下っています。
太陽光線が当たりにくいため、木の成長が遅く、年輪
が密ないい木となっていました。
森林組合に依頼して、間伐を兼ねて使える木を伐採
していきました。
本来ならば2・3年自然乾燥させてからしか建築材
としては使えません。今回は、低温乾燥庫を持つ製材所
に持ち込んで製材から約1ヶ月で使える状態までもって
いきます。
含水率は約30%を目標としました。急激に20%
まで落とすと問題があるため、この状態で止め、あとは
自然乾燥にまかせます。
ところで、自分の山の木を使うと安くつくと勘違い
している方がよくいらっしゃいます。
残念なことに、市場で売っている木の方が安い場合
が多いのです。
山に面した道路まで伐採した丸太を運ぶのに、仮の
運搬路を作ったり、運んだり、そして道路まで持ち出した
丸太は製材所へ運搬しなくてはなりません。
そして当然、製材賃が発生します。
あなたが、もし自分の山を持っていて、その木を使って
家を作りたいのであれば、それを植え育てた「おじいさんの
思い」を大切にしたいという理由であれば使うべきでしょう
。
では、また。